芦田 愛菜(あしだ まな)さんの著書、「まなの本棚」の要約とBook Reviewをしていきます。本書は読書好きである著者が、今まで読んできた様々なジャンルの本を紹介し、読書の楽しみを共有する内容になっています。また、「まなの本棚100冊リスト」も紹介しているので、本選びの参考にしてください。
幼少の頃から多くの本を読み、読書を通じて知識や情報を得るだけでなく、新たな世界を発見したり、本を通じて感動や熟考することが楽しいというのが、ひしひしと伝わってきます。
幼少の頃に本を好きになったきっかけの本や、読み聞かせをしてもらった絵本、海外ミステリーや日本文学など読書のカテゴリ範囲が広いことが分かります。そして何より「本」という存在が、著者にとって生活の一部になっています。
本を読むこと自体が生活の一部になっているので、「読書をしよう」意気込むよりも、お風呂や歯磨きをする感覚で本をめくっているのが分かります。本が好きな人はもちろんですが、普段本を読まない人にとっても、「豊かな読書体験は、心の豊かさを広げる」という気持ちに再認識させられます。
また、教育に力を入れている親御さんにとっては、著者の学歴(入試)を知って、「できれば自分の子供にも彼女と同じような頭の使い方を学ばせたい」と考えるかもしれません。本書にお勧めされている「まなの本棚100冊リスト」を参照すれば、どのような順序で子供に本を読ませていけば本好きになるのか、そのプロセスも垣間見れます。
子供を読書好きにさせたい親御さんには、その手本や参考となる一冊です。
Contents
1.まなの本棚の概要

- まなの本棚
- 著者: 芦田 愛菜
- 出版社: 小学館
- 発売日: 2019/07/18
- 価格: (本体1,400円+税)
2.まなの本棚のあらすじ
プロローグと、第1章の「語り出したら止まらない!芦田愛菜の読書愛」では、どのようにして幼少の頃から本を好きになったのか、本の読み方や選び方、読書はぬいぐるみやゲームと同じようにずっと遊んでいられるもの。「愛菜ちゃん、何が欲しい」と聞かれた際に、真っ先に「本」というほど、本(読書)が好きで。本の手触りや、ハードカバー本を開けるときの音など、「本」という物質に対しても、愛着があるのが分かります。
第2章の「本好きへの扉を開いた6冊」では、文字が読めるようになってからどんな本を読んだのか、その入り口となった本を6冊を紹介しています。
コラムと第3章の「まなの本棚から84冊リスト」では、実際に芦田愛菜さんがどんな本を読んできたのか、どのような本が好きなのか。というのが、84冊紹介されています。絵本から始まり、児童書、シリーズ物、海外児童文学、図鑑、SF小説、歴史、海外ミステリー、日本文学、海外文学など並んでいます。
対談シリーズでは、芦田愛菜さんと山中伸弥先生(京都大学IPS細胞研究所所長・教授)、辻村深月さん(作家)との対談があります。
3.真っ先に浮かぶ欲しいものは「本」
いまやインターネットで調べれば多くのことが分かり、読書離れが進んでいます。それでも読書(本)好きな人にとっては、読書を通じて自分で自由にその話の場面や情景、登場人物を想像できる楽しみがあるものです。漫画やアニメであれば、創り上げられた世界観があって、自分はそれに従うしかありませんが、本の場合は活字に向きあい、自分で自由に設定できます。
頭の中で自由に組み立てて世界を作っていく楽しみ、ページをめくっていくと自分が知らない未知の世界が広がっているからこそ、本という媒体と他との違いでしょう。
小さい頃から「何が欲しい?」と聞かれれば、真っ先に本と答えるほどだった著者は、ぬいぐるみやゲームと同じ感覚で本と接していました。だからこそ、本に対して親近感や愛着が強くあります。また、自身の性格を「自分とは違う誰かの人生や心の中を知れること」に興味があり、本を読むことで、自分一人では経験できないことや、考えつかないことも、本の中では得ることができます。
4.本選びは宝探しのよう
本を選ぶ基準は人それぞれありますが、著者にとって本を探すという行為は、宝探しのような感覚に近いようです。その時の自分の感情だったり、おもしろそうと思う本に偶然に出会ったり、人生を変えてくれるような本との巡り合いが、宝探しの感覚に似ているのでしょう。誰かにお勧め本を紹介されて読むというよりは、「出会うべき本」という感覚に近いかもしれません。
その日の気分だったり、なんとなく目についた表紙や、装丁、本と目が合ったというのが、最適な本になります。
なのでお勧めの本を聞かれても困ってしまい、自分にとって共感ができる本であったとしても、自分と同じように誰しも共感ができるわけではないし、お勧めした事によって、その人と運命的な本の出会いを自分が決めてしまう事に、引け目があるのでしょう。あくまで宝探しをしているような感覚で選ぶというが、ベストな選書になっています。
5.絵本の読み聞かせが本好きになるきっかけ
なぜこれほど読書が好きになったのかというと、幼少の頃に親御さんに読み聞かせをしてもらったのが始まりです。入り口は、「コンビニエンス・ドロンパ」(著:富安 陽子 絵:つちだ のぶこ 童心社)という絵本です。これはおばけのコンビニに夜中、いろんなおばけがやって来る話ですが、読み聞かせをしてもらうときに、怖い声色を使ってもらい、怖いんだけどそのリズムと心地よさが、この絵本にはまった要因です。
もちろん、自分で本を読むようになってからの、読書中の活字イメージの自由化がありますが、それは物語を読んでいる場合に、その時の情景や登場人物のデティールを自分で膨らませる楽しさがあるからです。
映像ならば、自分でイメージするのではなく、作り上げられた設定や世界観が決まっていますが、本にはその制約がありません。つまり自分で物語を想像し膨らませることができます。登場人物をとってみても、どんな髪型で服装はどんな感じなのか、どんな所に住んでいるのかなど、それぞれの世界観を自分でイメージする必要があります。
そして、この楽しさが読書の醍醐味になっています。
インターネットで検索をすればどんな物でも見つかる時代に、活字の中でイメージを膨らませ、自分の中の世界観を作り上げる。この作業が楽しいのです。
それと仕事の芝居にも関わってきますが、本を読む事による「誰かの人生や心理」に強い興味がある事が分かります。読書をするという事は、自分以外の誰かの人生を疑似体験できるので、読書によっての他人の人生を歩むイメージと、芝居としての、演じるという行為が嚙み合っているのです。
6.読書は歯磨きやお風呂と同じ生活の一部
誰しも読書をする時間は、それぞれの空き時間を確保するしかありません。たとえ学業と仕事をして、さらには入試をしつつ、いつ本を読む時間があるのか?と、疑問に思うこともあるかもしれません。その答えが、「いつでも時間があるときに、気が付いたときに本を読む」です。特別に本を読む時間の意識があるのではなく、気が付いたら自然と本を手に取り、活字を読んでしまっている。
これはまさに、「活字中毒なんじゃないか」と周りに言われてしまうほどです。
小さい頃から読書という行為が自然に身に付いてしまっているからこそ、読書は日常に溶け込んでいる「生活の一部」となっているのです。読書がお風呂や歯磨きをする生活の一部で、ちょっとした空き時間さえあれば、1ページでも先に進めたいとなります。疲れているときや、悲しいことがあるときに本を開くというよりも、読書をしている時間こそが癒しの時間であり、リラックスできる時間です。
本の内容もあまり関係がなく、疲れているときもミステリーを読むし、現実世界とは別世界に行ける本を楽しんでいるのです。
7.紙の本の手触りが好き
本は読むというのも好きですが、「物」としての物質、つまりその手触りも含めて好きなんだと伝わります。新しい本を買ってきたら、まるで宝箱を開けるときのように、「この本ではどんな世界が待っているのだろう」という感覚。特にハードカバーの新品の本は、最初に表紙を開いた際のノリが剥がれる音など、本そのものに価値や愛情があることが分かります。帯や表紙のデザインに関しても、考え抜かれたものなので、捨ててしまうことがないのです。
ややマニアックになりますが、出版されて何十年も経ったような本も、その本特有の歴史が感じられ、別の楽しみに変わります。
なかでも図書館にある本は、以前多くの人が読んできた本でもあるので、その本が過ごしてきた時間を感じられ別の楽しみに変わります。本に折り目が付いていたりすると、前の人が気になったポイントや、汚れなどを感じられるので、本の足跡を感じることができます。
8.「まなの本棚100冊リスト」を紹介
ここからは「まなの本棚100冊リスト」をピックアップしていきます。「最初の読書記録」「村上春樹さんに私、ハマってしまったみたい!」「本好きの扉を開いた本」「絵本」「夢中になった児童書」「読破したシリーズ」「海外児童文学」「体の不思議」「図鑑」「日本文学」「海外文学」「好きな登場人物編」など、まなの本棚100冊リストとその関連本を紹介します。
最初の読書記録
1冊目:「コンビニエンス・ドロンパ」富安 陽子(著)つちだ のぶこ(イラスト) 童心社

山の中にあるお化けのためのコンビニエンスストアの話です。絵の設定が細かく描かれており、お化けと聞くと怖いイメージですが、そんなこともなく愛嬌があります。文字が読めなくても視覚的に楽しめるのが特徴です。文章のリズムが心地よく、読み聞かせもしやすくなっています。
2冊目:「もったいないばあさん」真珠 まりこ(著) 講談社

いつも説教をしているもったいないばあさんですが、自然の中で遊ぶ楽しさも持ち合わせています。食べ残しが多いお子さんに、「もったいないとはどのような概念なのか」をやさしく伝えることもできます。
村上春樹さんに私、ハマってしまったみたい!
3冊目:「騎士団長殺し」村上 春樹 (著) 新潮社

村上春樹シリーズの長編小説です。主人公は36歳の肖像画家で、妻との離婚話から自宅を出ていき、友人宅のアトリエに住まわせてもらうことから物語は始まります。ある時、屋根裏部屋で「騎士団長殺し」というタイトルの日本画を発見し、主人公の周りでは不思議な出来事へと巻き込まれていきます。
本好きへの扉を開いた6冊
4冊目:「おしいれのぼうけん」ふるた たるひ, たばた せいいち(著) 童心社

さくら幼稚園に通う男の子二人は、おもちゃの取り合いになってけんかになり、先生に押し入れに閉じ込められてしまいます。やがて暗闇のなかで、ねずみばあさんが現れることで二人に変化が訪れます。80ページとボリュームのありながら、冒険と物語が駆け抜ける展開です。
5冊目:「不思議の国のアリス」ルイス・キャロル (著), 河合 祥一郎 (翻訳) KADOKAWA

不思議の国のアリスは、1865年に刊行されてから、未だに人気のある著作です。映像化や多様なコンテンツになることも多く、幼い少女アリスが白ウサギを追いかけて、喋る動物や動くトランプなどのキャラクターと世界を冒険する物語です
6冊目:「都会のトム&ソーヤ」はやみね かおる (著) 講談社

都会のトム&ソーヤは多数のシリーズが出ている物語です。ごく平凡な中学生と大財閥の息子のクラスメイト二人による都会を巡るリアルRPGを作るための冒険が始まります。
7冊目:「ツナグ」辻村 深月 (著) 新潮社

死者と生者をツナグ「使者」をテーマした物語です。一生に一度だけ再開を叶えてくれる存在のツナグは人の心に何をもたらしてくれるのか。ツナグは死者に会いたいという依頼人の要望を受け、その死者が会うことを了承すれば、その死者と依頼人を会わせることができるようになります。映画化もされた感動の長編小説です。
8冊目:「言えないコトバ」益田 ミリ (著) 集英社

言えないコトバは、何気ない日常をテーマにしたエッセイになっています。誰しも心で思ったことのあることを、具体化し共感できる内容になっています。また、現在は死語になりつつある言葉や今後使わなそうな言葉、自分が恥ずかしいと思ってしまう言葉など綴られています。
9冊目:「高瀬舟」森 鴎外 (著) 集英社

高瀬舟は100年もの前の作品で、江戸時代の貧しい兄弟間で起きた「安楽死」をテーマにした話です。苦しそうな弟を気遣った兄が、弟の自殺を手伝うという、現代の安楽死を彷彿とさせる内容です。文学の世界の入り口として、読んでおきたい一冊です。
ここからスタート!の絵本
10冊目:「もこ もこもこ」谷川俊太郎 (著), 元永定正 (イラスト) 文研出版

もこ もこもこの特徴は、「にょきにょき」「ぎらぎら」といった、擬音が多いことにあります。物語の展開を楽しむというよりは、絵本にある擬音で想像力を膨らまし、自分ならではの世界観を楽しむことです。
11冊目:「ぐりとぐら」なかがわ りえこ (著), おおむら ゆりこ (イラスト) 福音館書店

二匹の野ネズミのぐりとぐらは、料理と食べることが大好き。多くのシリーズが出ている作品ですが、元はこの絵本から始まりました。言葉の意味が分からなくても、イラストで想像できるのがポイントです。
小学生で夢中になった児童書
12冊目:「天と地の方程式」富安 陽子 (著), 五十嵐 大介 (著) 講談社

中学二年生になって引っ越しをした先で行った学校は、神様から様々な能力を授けられた生徒が通う学校です。難しい数学を簡単に解いてしまう人や、音楽の天才、力持ちの女の子も登場します。シリーズ連載の学園異能ファンタジー物語です。
13冊目:「若おかみは小学生!」令丈 ヒロ子 (著), 亜沙美 (イラスト) 講談社

主人公のおっこは、お婆さんが女将を務める温泉旅館に住み込みで働くことになります。おっこは今まで旅館とは縁のない生活を送ってきましたが、若女将として、旅館のお客様や幽霊、妖怪と出会いながら物語が進んでいきます。
14冊目:「魔女の宅急便」角野 栄子 (著) 福音館書店

魔女の宅急便は、アニメ化と映画化もされている作品で、空を飛ぶシーンを一度は見たことがあるかもしれません。14才の魔女キキは、箒に乗って知らない土地に飛び込んでいきます。6巻まであり、キキが大人になり母として生活する物語まで描かれています。
15冊目:「怪盗クイーン」はやみね かおる (著), K2商会 (イラスト) 講談社

神出鬼没の怪盗クイーンは、自分の美学を持ってどんな獲物も手に入れてしまいます。年齢も性別も不明な怪盗クイーンですが、「自分のやりたいと思うこと以外はやらない」という徹底ぶりです。怪盗の美学が分かる、公式ファンブックも出ています。
16冊目:「怪人二十面相」江戸川 乱歩 (著), 藤田 新策 (イラスト) ポプラ社

レトロな雰囲気が漂ってくる推理小説です。名探偵の助手を務める少年探偵団が、怪人二十面相に立ち向かい、トリックを考えていきます。現代のトリックで考えうることだけでなく、レトロな文体で雰囲気が漂ってくるのも特徴です。
次々と読破したシリーズもの
17冊目:「落語絵本シリーズ」川端 誠 (著) クレヨンハウス

人によっては取っ付きにくいと思う落語ですが、絵本になっているため物語の展開が明確で分かりやすくなっています。落語の入門書的な位置付けだけでなく、音読の練習にもなる絵本です。
18冊目:「ストーリーで楽しむ日本の古典シリーズ」岩崎書店

日本の古典シリーズは、有名な「伊勢物語」「南総里見八犬伝」「徒然草」など、分かりやすく書かれているのがポイントです。最初から古典と読むよりも、古典シリーズを読むことで、外枠が掴めるので物語を理解しやすくなります。
19冊目:「小学館版 学習まんが人物館シリーズ」小学館

世界中の偉人たちをまとめているのが、小学館版 学習まんが人物館シリーズです。「ベートーベン」「キューリー夫人」「渋沢栄一」など、歴史上の人物が何をしてきたを描かれています。日本人だけでなく、海外の人物も多く出されています。
世界を広げた海外児童文学
20冊目:「赤毛のアン」ルーシー・モード・モンゴメリ (著)

身寄りのないアンですが、性格はのびのびしていて素直。発想も柔軟で自分の意見を常に持っています。そんなアンの最大の長所は発想力で、誰も思いつかないようなアイデアで困難を乗り越えていきます。自分が納得できるまで物事を考えていくさまは、どの世代の人が読んでも楽しめるし、今後も読まれ続けていく作品です。
21冊目:「あしながおじさん」ジーン・ウェブスター (著)

身寄りのない子供の施設で育てられたジュディと、進学をするためにお金を支援してくれる匿名の資産家「あしながおじさん」との手紙を綴った物語です。赤毛のアンと共通しますが、ジュディの性格も自由な心の持ち主で、決して卑屈になったりしていないところが似ています。
22冊目:「ハリー・ポッターシリーズ」J.K.ローリング (著) 静山社

多くの連載が続いているシリーズですが、物語はハリーが11才の誕生日に手紙が届き、魔法学校(ホグワーツ)への入学が許可されることから始まります。この物語の特徴は。世界観が壮大なところです。ファンタジー要素が強く、多くの年代に読まれている作品です。
興味がつきない体の不思議
23冊目:「学習まんがドラえもんからだシリーズ」藤子 F・不二雄 (著) 小学館

このシリーズは、ドラえもんがのび太と一緒に人体の場所を巡っていくという漫画ストーリーで、読み進めているだけで人体の構造が分かる内容になっています。食べ物が消化される仕組みや、皮膚の動きなど自分の身体ではどうなっているのかが、分かりやすく解説されているのがポイントです。
気になったらすぐに開く図鑑
24冊目:「花火の図鑑」泉谷 玄作 (著) ポプラ社

夏の風物詩の花火ですが、その仕組みやどのような中身になっているのかを解説した図鑑になっています。自分では直接見ることのない花火の断面図も、図鑑ならば写真を見ながらイメージすることができ、花火が完成するまでの工程も知ることができます。
25冊目:「小学館の図鑑NEO 星と星座」小学館

星と星座の図鑑は、実際の天体観察や星空を眺めたときの参考になるように、全88星座を星空写真で解説しています。主に地球からの視点で、人間との関わり(星座、文化行事、暦)など一度は耳にしたことのある話がまとめられています。自由研究のテーマで星の観察を選んだ場合、参考となる一冊です。
26冊目;「小学館の図鑑NEO 宇宙」 小学館

星と星座の姉妹本ですが、宇宙編の場合は、地球を飛び出し宇宙にある天体や歴史、宇宙に行くためのロケット探索機などがまとめられています。地球外生命体が居るとしたらどの惑星なのか、夜空に輝いている恒星や銀河など、日常生活の好奇心を満たしてくれます。
27冊目:「小学館の図鑑NEO 岩石・鉱物・化石」 小学館

眺めているだけできらきらが伝わってくるのが、この図鑑の特徴です。自分の誕生石や宝石など、100種類の特大ポスターも付属されています。国内外の50館以上の博物館から協力を得て作られたこともあり、本の展覧会のような図鑑になっています。
ゾワッとするSF小説
28冊目:「ボッコちゃん」星 新一 (著) 新潮社

一つの話が3ページほどで完結するSFショートストーリーです。シンプルなSFというよりは、ブラックジョークやシュルリアリズムといった、SFと現実を繋ぎ合わせた内容になっています。読了後に自分であれこれ考えるのも、楽しみの一つです。
29冊目:「声の網」星 新一 (著) 角川書店

今から50年前のインターネットも普及していない時代に書かれた物語ですが、現在の情報社会に警鐘を鳴らしているかのように、書かれた書籍です。電話一つで多くのことが完結する社会になり便利になった世の中が、それと引き換えに情報によって人が振り回されてしまうといった内容になっています。
歴史がもっと知りたくなる
30冊目:「平安女子の楽しい!生活」川村 裕子 (著) 岩波書店

平安時代の女子の生活をまとめた内容で、古典の文献を元に平安時代の女性たちがどのような生活をしていて、ファッションはどのようなもを好んでいたのかが分かります。ファッションでいえば、十二単を着ているイメージですが、実際には着物を何枚も重ね着しなくてはならず、着るだけで一苦労なのです。
31冊目:「空色勾玉」荻原 規子 (著) 徳間書店

空色勾玉は、輝(かぐ)の一族と闇(くら)の一族という民族の戦いを描いたファンタジー物語です。日本神話がベースになっており、古代の神が地球にいた時代として、そこでの日本の様子が描かれています。不老不死や、輪廻転生といった日本の死生観や東洋思想がベースになっているので、神秘的な世界観を感じられます。
32冊目:「白狐魔記」斉藤 洋 (著) 偕成社

白狐魔記は、人間に化けることができるようになった狐が、源義経や織田信長といった歴史上の人物に会って、「源平の戦い」などの歴史的な瞬間に出くわすという物語です。狐の視点から物事を捉え、「なぜ人間同士で殺し合うのか」といった問いをしつつ旅をするファンタジーです。
熱い友情や“スポ根”大好き
33冊目:「夜のピクニック」恩田 陸 (著) 新潮社

夜のピクニックの舞台は、ある高校の「歩行祭」という伝統的なイベントです。全校生徒が朝の8時から翌朝の8時まで、24時間かけて80kmという道のりを歩きます。ある人にとっては、誰にも言えなかった秘密を清算するために。またある人にとっては、学校生活の思い出や卒業後の夢などを語るため。それぞれの想いを抱いて描く、青春物語です。
34冊目;「バッテリー」あさの あつこ (著) KADOKAWA

自分に厳しくストイックで天才的な才能を持つピッチャーの巧と、その彼が信頼するキャッチャー豪の野球少年物語です。中学入学を目前に控えた春休みに二人は出会います。日常でも性格が全く違う彼らですが、本当はお互いを尊敬しつつ信頼しているが分かります。
35冊目:「よろこびの歌」宮下 奈都 (著) 実業之日本社

主人公の御木元玲は、著名なヴァイオリニストの娘で音大附属高校の受験をするも失敗。新設した女子高の普通科に進むことから物語は始まります。音大付属高に不合格してからというもの、挫折感から立ち直れないでいましたが、ある日合唱の指揮をまかせられてから、心情に変化が出て立ち直っていきます。未来に惑いつつ、歌をきっかけに成長する姿を感じられます。
36冊目:「風が強く吹いている」三浦 しをん (著) 新潮社

ほとんどが駅伝初心者のメンバーで弱小チームが、箱根駅伝を目指すという物語です。「駅伝って何?」「走るってどういうこと?」という駅伝の根本的な答えを探しつつ成長していきます。十人の個性的なメンバーが自問自答しつつ、仲間と共にゴールの襷を繋ぎます。
37冊目:「リズム」森 絵都 (著) 講談社

物語の主人公は、中学生の女の子で名前はゆき。自分らしさとは何か、中学3年間を生活しつつ模索していきます。好きな人もいて、仲の良い友人もできましたが、それでも時間が経つにつれて事情や環境などで周りが変化し、自分も変わっていきます。中学の最後には物語の冒頭とは違う状況になっていき、自分のリズムは何かを見つけいきます。
限界へ!自分との闘い
38冊目:「DIVE!!」森 絵都 (著) KADOKAWA

小学生から高校生まで通うダイビングクラブですが、実は赤字経営で今にも破綻しそうな状態です。そこで、アメリカからやって来た新しい女コーチがクラブ存続のため、次のオリンピックで日本代表となる人物をこのクラブから輩出することを掲げます。オリンピック出場をかけて、少年たちの戦いが見所です。
嫉妬やコンプレックス
39冊目:「反撃」草野 たき (著) ポプラ社

5人の中学生の日常を綴った短編物語です。それぞれの自我を抱きつつ、その感情を揺り動かすものは何か。日常生活物語ではありつつ、女の子たちの心情を描いた内容になっています。
40冊目:「ふたり」赤川 次郎 (著) 新潮文庫

成績優秀でスポーツ万能、とても明るく優しかった姉が急に交通事故で亡くなります。主人公で中学生の女の子は酷く落ち込んでいたのですが、あるときから姉の声が聞こえるようになり、自分を守ってくれるようになります。内容はファンタジーですが、世の不条理さを描いており、それを乗り越えるたくましさを感じさせてくれます。
きょうだいや家族への思い
41冊目:「一人っ子同盟」重松 清 (著) 新潮文庫

ノブとハム子は同じ団地に住む小学生6年生。二人は密かに「一人っ子同盟」を結びます。ですが実際は、ノブには幼い頃亡くなった兄が居て、ハム子は親の再婚で弟ができます。二人共亡き兄と新しい弟にどういう感情で対応(対処)すればいいのか分からない。子供たちの心情と葛藤を描いた物語です。
42冊目:「西の魔女が死んだ」梨木 香歩 (著) 新潮社

中学に入学後、不登校になってしまった女の子が主人公です。そこで夏のあいだ、西の魔女と呼ばれるお婆ちゃんの家に住むことにします。そこで女の子は、自由で気ままなお婆ちゃんの生き方に憧れを持ち、自分も魔女になろうと決めます。ですが実際に自由になるには、自分を律することが重要だと認識していきます。
43冊目:「本を読む女」林 真理子 (著) 集英社

昭和の時代を本と共に生き抜いた、文学少女の万亀(まき)の物語です。万亀にとって本はどんな辛いことがあっても寄り添ってくれるもので、壁にぶつかっても本と共に乗り越えていきます。当時は女性が勉学に勤しんだり好きな本を読める時代ではないからこそ、万亀の生き方は一本筋が通っていると感じられます。
日本語って奥深い!
44冊目:「舟を編む」三浦 しをん (著) 光文社

辞書が作られる過程が楽しめる物語です。舞台は出版社の辞書編集部で、若手社員の主人公が配属され、辞書作りに携わります。物語の始まりは若手だった主人公も、終盤ではベテランになりますが、それでもまだ辞書は完成していません。身近に感じる辞書ですが、実際は物凄い年月と労力が必要なんだと認識させられます。
45冊目:「ふしぎ日本語ゼミナール」金田一 秀穂 (著) 日本放送出版協会

日常で何気なく使っている日本語の奥深さを知ることのできる一冊です。「一日おき」と「二四時間おき」はどう違うのか、スイカは野菜か果物か。などの気にしたことはないけれど、改めて考えるとおもしろい一冊です。
言葉や伝えるということ
46冊目:「きよしこ」重松 清 (著) 新潮文庫

吃音の少年きよしが主人公です。自分が口を開くことでからかわれたり、笑われてしまうのを恐れて、思っていることをうまく言葉にできません。少年のもどかしい気持ちと、吃音に立ち向かい成長していく姿は、自分の思っていることを口にできない人が共感できる内容です。
47冊目:「ぼくのメジャースプーン」辻村 深月 (著) 講談社

物語に登場するの男の子は、「言葉で相手を縛ったり行動させたりできる」能力を持っています。ある日学校で起きた陰湿な事件を境に、幼馴染のふみちゃんは心を閉ざしてしまいます。残虐な犯人を相手に少年は、自分の能力を使って戦いを挑みます。
辻村ワールドにハマるきっかけに
48冊目:「かがみの狐城」辻村 深月 (著) ポプラ社

不登校になってしまった中学生の女の子が主人公ですが、ある日部屋の鏡が光って、鏡の世界へと吸い込まれていきます。そこでは自分と似た境遇の7人が集められていました。時間厳守の孤城で謎を解きつつ、人との繋がりや関係構築がテーマになっています。
止まらなくなる!海外ミステリ
49冊目:「シャーロック・ホームズシリーズ」アーサー・コナン・ドイル (著)

シャーロック・ホームズシリーズは、ホームズと助手のワトソンが協力をして犯人を追及していく探偵物の話です。お互いを信頼している感じも伝わりますし、その都度相棒や仲間と謎を解決していく描写が人気の作品です。
50冊目:「モルグ街の殺人」エドガー・アラン・ポー(著)

モルグ街の殺人は、世界で最初の探偵小説と言われていますが、探偵ものというより、ホラーに近い恐怖小説になっています。犯人の謎を解いていくおもしろさよりも、衝撃的な結末が待っているような作品です。
51冊目:「Xの悲劇」エラリー・クイーン (著)

ニューヨークの市街電車で起こった事件で残されていたのは、Xという文字のダイイングメッセージでした。普通に物語を読んでいくというより、頭のなかでパズルを組み立てていくような、読んで立ち止まってを繰り返すというような作品です。
52冊目:「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティ (著)

アガサ・クリスティの作品の中で、一番有名なのが「そして誰もいなくなった」です。離島に招かれた10人が、童話の歌詞の通りに殺されてしまうという話ですが、ほのぼととした展開が、急に変わっていく流れは読者を飽きさせません。招かれた10人の心の心境にも、注目したいところです。
日本文学(〜平安時代)神話や貴族の生活
53冊目:「古事記」

日本古来の神々と古代人の生活や、文化などを綴った作品です。古事記と聞くと小難しいイメージを抱くかもしれませんが、現在は読みやすくなったものがあるので、原文だと読みにくいという人も読める内容になっています。
54冊目:「日本書紀」

古事記と同様に1000年以上も前に書かれたのが日本書紀です。日本という国がどうやってできたのか、天皇の存在など、天武天皇の発意によって完成した歴史書が始まりです。
55冊目:「風土記」

風土記は、地方の特産品や地域ごとの特性、地名の由来などをまとめたものです。同じ物だとしても地方によって呼び名が違ったり、食べ方が変わっていたりと、その土地ならではの異なる文化があるのを再認識できます。
56冊目:「源氏物語」紫式部 (著)

平安時代貴族だった、光源氏の生涯とその周囲の人物を描いた作品です。当時の人気だった和歌や平安時代の習慣、現代とどういった違いがあり、人々はどんな生活をしていたのかなど、比較しながら読むこともできます。
日本文学(〜江戸時代)エンタメ充実!
57冊目:「曽根崎心中」近松 門左衛門 (著)

曽根崎心中は、若い男女が恋を貫くという物語で、江戸の人々を熱狂させた作品です。元禄16年の大坂で実際に起きた心中事件を題材にしていることもあり、ノンフィクションとなっています。
58冊目:「雨月物語」上田 秋成 (著)

雨月物語は、江戸時代の怪奇小説です。怨霊や亡霊など文章ならではの怪奇文があり、映像やメディアとは違った読みごたえがあります。
59冊目:「南総里見八犬伝」

八つに散らばった玉を巡って、八犬士が登場する物語です。8人の剣士が集まり悪い奴を倒すというのは、ストーリーとして王道ですが、奇想天外な展開や波乱万丈な道中など、構成など巧妙に作られている作品です。
60冊目:「東海道中膝栗毛」十返舎 一九 (著)

お伊勢参りに行く道中で、弥次郎兵衛と喜多八がいたずらを考えたり、誰かを騙そうとして相手にうまくかわされたりと、ドタバタ劇の物語です。良い意味で人間らしさが前面に出ており、人の目を気にせず生きている自由な登場人物が多いのが特徴です。
日本文学(〜明治時代)人生や恋に悩んだり
61冊目:「福翁自伝」福沢 諭吉 (著)

「学問のすすめ」「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず。」など、誰しも知っているであろう福沢諭吉の自伝です。幼少から老後に至るまで、60年に渡る生涯を口述筆記させ出版した自叙伝だけあって、目の前で本人と話しているような臨場感があります。
62冊目:「舞姫」森 鴎外 (著)

森鴎外のドイツ留学を元に作られた物語と言われているだけあり、ドイツのベルリンに在留する豊太郎とエリスの出会い、そして悲しい別れが描かれています。初読で楽しみのはもちろんですが、年月を経てから再読するとまた違った醍醐味が味わえます。
63冊目:「吾輩は猫である」夏目 漱石 (著)

一匹の猫「吾輩」が観察する人間模様を描いた物語です。「吾輩は猫である。名前はまだ無い」は有名なフレーズですが、珍野一家とその周囲に集まる人々をユーモアを交えてコミカルに描いた作品です。
64冊目:「坊っちゃん」夏目 漱石 (著)

学校を卒業したばかりの正義感の強い坊ちゃんは、四国の中学校に数学教師へと就任します。そこに登場する偽善の教師と大騒動を繰り広げます。自分の正しさや正義について考えさせられる作品です。
65冊目:「こころ」夏目 漱石 (著)

こころは題名のままで、人の心について書かれた作品です。最初は良い人だと思っていたのに悪人になったり、悪人だと思ってた人が良い人に思えたりと、人の心情が揺れ動くさまを垣間見れます。
66冊目:「小僧の神様」志賀 直哉 (著)

小僧の神様は、丁稚奉公している小僧が、ある偶然で紳士にお寿司をご馳走してもらう話で、気持ちを素直に表現するのに長けている作品です。必ずしもハッピーエンドに終わるわけではなく、当時の道徳心や価値観などギャップを感じられます。
67冊目:「たけくらべ」樋口 一葉 (著)

かつて仲良くしていた男女が、成長するにつれて互いの状況が変わり、離れていってしまうという思春期の淡く密かな恋を描いた物語です。リアリズムと云えばそうですが、現代にも通じる恋愛ものです。
68冊目:「友情」武者小路 実篤 (著)

青春時代のテーマ、友情と恋愛を描いた作品です。主人公の男が親友に恋を相談するが、その女性は親友のことが気になるという、三角関係の構造になっており、現代にもある話です。恋愛として一括りにするより、友情に比率を置いた印象です。
69冊目:「伊豆の踊子」

心が廃れていた青年が、旅の道中で出会った踊り子に優しくしてもらい、気持ちが変わっていきます。伊豆という舞台で繰り広げられる恋愛模様は、青春の慕情と感傷が融け合っている美しさがあります。
70冊目:「雪国」川端 康成 (著)

美しい雪国の描写と越後湯沢の温泉街。駅舎と汽車の車内の情景など、読んでいると自然と情景が浮かんでくる文章になっています。無為の孤独を守る青年と、雪国の芸者との関係性は読む人によって、是非が分かれます。
71冊目:「細雪」谷崎 潤一郎 (著)

四姉妹の上流階級を舞台にしているだけあって、品格の漂う作品です。それぞれ芯の強さを持っていますが、女性ならではの我慢を強いられることが多い時代に感じます。
72冊目:「智恵子抄」高村 光太郎 (著)

昭和三十一年の雪の夜に逝った詩人の、愛の詩集です。愛し合って結婚し、貧乏ながらも幸福な結婚生活を送っていましたが、妻が更年期の頃精神に異常をきたし、闘病生活の末亡くなったという、死に向かい合った作品です。
73冊目:「一握の砂」石川 啄木 (著)

石川啄木の実生活に根ざした歌集で、自己哀惜の歌が多く読まれています。貧困と孤独にあえぎながらも文学を追及し、己の言葉で綴った作品です。
74冊目:「雨ニモマケズ」宮沢 賢治 (著)

最大の理解者だった妹を若く亡くし、その想いを込めて書かれた作品です。短い文章の中に、宮沢賢治の願いや祈りに近いものを感じられます。
75冊目:「高野聖」泉鏡花 (著)

僧侶が若かりし頃に山の中で体験した怪奇現象が元になっている、ホラーファンタジーの作品です。文体が難しく読みづらさがありますが、淡々と語られる物語は、想像を膨らませてくれます。
76冊目:「破戒」島崎 藤村 (著)

部落出身で教員の主人公は、父親から身分を隠せと堅く戒められていたにも関わらず、同じ宿命を持つ解放運動家の死によって、父との戒めを破ってしまいます。差別と偏見の中で生きてきた主人公は、何を破戒し何を守ろうとするのかが、見所です。
77冊目:「夜明け前」島崎 藤村 (著)

時代の大きな転換期、幕藩体制の末端を支えた地方の庄屋の跡取りが、世直しの思想を持ち、財産や家族を投げ打ってまで手に入れたかったものは何か。また、自分の思想が大きく道を踏み外す恐ろしさも兼ね備えている作品です。
太宰治より私は芥川龍之介派!
78冊目:「蜘蛛の糸」芥川龍之介 (著)

生前の悪行のために地獄に落ちてしまった主人公ですが、彼の善行を思い出したお釈迦さまは、 極楽から救いの糸を垂らすという物語です。「せっかく差した光明も、自分のことしか考えなかったら、自らの手で消してしまう」というような、戒めの作品です。
戦争について考えるきっかけに
79冊目:「ガラスのうさぎ」高木 敏子 (著)

第二次世界大戦中に、空襲で家族を失い一人で生きていく、12才の敏子という女の子を描いています。焼け跡に残った、敏子の家にあったガラスのうさぎ。戦争の臨場感がひしひしと伝わってくる作品です。
80冊目:「永遠の0」百田 尚樹 (著) 講談社文庫

第二次世界大戦に戦死した「海軍航空兵」のことや、「特攻隊だった祖父のことを知りたい」という孫が、十数年後に、かつて戦友であった祖父の知人や航空兵の仲間に会いに行くという物語です。「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために。」そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。
海外文学 答えは一つじゃないはず
81冊目:「賢者の贈り物」オー・ヘンリー (著)

1980年代初頭のニューヨークに生きる人々を描いた短編作品です。クリスマスを翌日に控え、若妻が夫へのプレゼントに費やせるのは、1ドル87セントのみ。限られた予算のなかで、相手を想い精一杯の気持ちを伝える物語です。
82冊目:「変身」フランツ・カフカ (著)

平凡だったサラリーマンが、ある日起きると「毒虫」に変わっていたという物語です。最初こそ心配していた家族ですが、次第に邪険に扱うようになり、男性への態度が変わっていきます。
83冊目:「レ・ミゼラブル」ヴィクトル・ユゴー (著)

フランス革命前が舞台で、19年間も牢獄に入っていた元囚人ジャン・ヴァルジャンが盗みをしていたところを司教に助けられ、改心し「今後は人のためになることをして生きる」という誓いを持ちます。慈悲深い司教の温情が、彼を突き動かす作品です。
そしてこれからも
84冊目:「海辺のカフカ」村上 春樹 (著) 新潮社

15歳になった少年カフカは、二度と戻らない旅に向かいます。また、ナカタ老人は猫と話せたり、空からイワシが降ってくるという予言ができたりと不思議な力を持っています。それぞれの物語の接点と、隠喩、暗喩が特徴のメタファー概念が詰まっている作品です。
好きな登場人物【男性編】
85冊目:「探偵ガリレオ – 湯川学」東野 圭吾 (著) 文春文庫

天才物理学者(湯川学)が、誰が見ても超常現象に思える事件を、物理学と雑学の知識で論理的に解決していく物語です。燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年など、難事件にぶつかったとき、警視庁捜査一課の草薙俊平が頼る人物が、湯川学です。
86冊目:「都会のトム&ソーヤ – 内藤内人」はやみね かおる (著) 講談社

上述しましたが、都会のトム&ソーヤの内藤内人の性格は、一度決めたらとことんやり抜く性格と、その場の機転でトラブルを乗り越えていくサバイバル能力を持っています。
87冊目:「三毛猫ホームズの推理 – 片山義太郎」 赤川 次郎 (著) 角川文庫

片山義太郎は刑事で、血、アルコール、女性が苦手です。そんな義太郎の相棒が、猫のホームズ。捜査に行き詰まるとホームズが、不思議な行動をして捜査解決の手助けをしてくれます。
88冊目:「あかんべえ – 玄之助」宮部 みゆき (著) 新潮文庫

12才の少女おりんは、料理屋「ふね屋」の娘。ある時、高熱をだして生死の淵を彷徨ってから、霊が見えるようになります。玄之助は侍の霊で、おりんが霊のトラブルで困っているときに、やさしく励ましてくれる存在です。
89冊目:「図書館戦争 – 堂上篤」有川 浩 (著) 角川文庫

「メディア良化法」という規制によって、メディアが検閲対象になってしまう近未来の日本が舞台。過剰な取り締まりに抵抗と表現の自由を守ろうとすべく「図書隊員」と呼ばれる図書館専属の軍事組織のみが規制対象から外れ戦うことができます。
90冊目:「世界の中心で、愛をさけぶ – 松本朔太郎」片山 恭一 (著) 小学館

最愛の人が病気で弱っていき、最後には亡くなってしまいます。二人の出会った場所や無人島へ遊びに行って思い出を作るなど、限られている時間だからこそ、濃密に過ごすことの大切さが感じられます。
好きな登場人物【女性編】
91冊目:「ハケンアニメ! – 有科香屋子」辻村 深月 (著) マガジンハウス

アニメ業界の舞台裏で働く人たちが、普段どのような仕事をしているのか、その内情を知ることのできる作品です。毎回同じチームで活動するのではなく、1クール毎に組む相手を変えるというのも、アニメ業界ならではのチーム編成です。
92冊目:「風と共に去りぬ – スカーレット・オハラ」マーガレット ミッチェル (著) 鴻巣 友季子 (翻訳) 新潮文庫

アメリカの大農園で生まれたスカーレット・オハラは16歳。美人でお金持ちでプライドの高い彼女は、周囲になんと言われようと自分のやりたいことを突き通す強さを持っています。家族や故郷を守るための行動は、「自立」とは何かを追及しています。
93冊目:「若草物語 – ジョー・マーチ」L.M. オールコット (著) 矢川 澄子 (翻訳)

舞台は南北戦争のアメリカで、従軍牧師の父は出征しています。父の無事を祈りながら、その四人姉妹メグ、ジョー、ベス、エイミーが賢くやさしい母親と、隣人の善意に助けられ、失敗を乗り越え、それぞれの個性を生かしながら支えていく物語です。
94冊目:「スロウハイツの神様 – 赤羽環」辻村 深月 (著) 講談社

若手クリエーター(人気作家、漫画家、映画監督)などが住んでいる、スロウハイツというシェアハウス。家主は人気脚本家の赤羽環、それぞれ夢を持ちそれに向かって進んでいる共同生活を描いた作品です。
95冊目:「舟を編む – 林香具矢」三浦 しをん (著) 光文社

舟を編むも上述しましたが、主人公の馬締は言葉に対して異常な執着心を持っています。そんな彼の下宿先にやってきたのが、大家の孫娘の林香具矢。馬締にとって、香具矢は唯一心を開ける存在になっていきます。
9.まなの本棚を読んだ感想

「まなの本棚」は、著者が読んでいる本を紹介したり、なぜ本を好きになったのか、などのきっかけを知ることのできる一冊です。
まず、著者が本を好きになったきっかけは、幼少の頃の親御さんの読み聞かせが始まりです。そこで本(読書)は楽しいという気持ちになり、図鑑を眺めたり絵本を読み始めていきます。その後、「まなの本棚100冊リスト」で紹介したような本を読んでいくことになるのですが、一つのジャンルに絞っていないことが分かります。
「小説」「図鑑」「歴史書」「古事記」「日本書紀」「風土記」など、興味の幅を広げ、本を読んできていることも特徴です。
また本書では、仕事をしつつ勉強をしている忙しい著者が、「いつ本を読んでいるのか」という疑問にも答えてくれており、決まった時間に読むというより、歯磨きやお風呂に入る感覚で、日常生活のなかに読書習慣が溶け込んでいることが分かります。時間があれば一ページでも先を読み進めたいという気持ちは、本が常に身近にあるということが垣間見れます。
そして本そのものに対する、本としての物質も好きなのだと感じられます。具体的には、本をめくる感覚だったり、ハードカバーを広げたときの音、図書館で借りてきた際の、以前読んできた人の汚れなど、電子媒体では味わえない本特有の味わいも好きなのが伝わってきます。
著者は「おすすめの本」を聞かれて困ってしまうといい、「運命的で大切な本との出会いを、自分が決めてしまっていいのか」とも考えています。自分には感動的で心を動かされる本であったとしても、人それぞれ見方や考え方があるので、響くとは限りません。
むしろ本を選ぶ際は、背表紙がきらりと光って見えるような、フィーリングに頼ること。ふらりと立ち寄った書店や図書館の書棚を見て、感じたまま手に取ることが一番だといい、直観こそが「自分がおもしろい」と感じたり、相性の良い本に出会えるとしています。最初は自分の興味のある分野から読み進めていって、少しづつ興味の幅を広げていくと、本の世界も広がっていきます。
一方で、本の感想に正解はなく、自分ではこういう感想を持っていたとしても、相手も同じだとは限らないし、むしろ自分とは違う視点で感想や情報を交換することで、自分では気付かなかった発見があり、それも楽しいようです。
総じて、「まなの本棚」は、著者がどのように本好きになっていったのか、読む傾向や多ジャンルに興味を持っていることが分かります。また、これだけの本を読んでいるからこそ、仕事や勉強の面でも活かせることができ、どれか一つを結果をだすわけではなく、それぞれの分野で結果をだしていることに、説得力を持ちました。
10.まとめ
まなの本棚は、著者がふだんどのように本に接しているのか、本に対する想いや、これまで読んできた本を紹介する書籍になっています。いつも本を読む側だった著者が、本を作る側になって「本を作るまでにはこんなに沢山の過程がある」と言っているように、本を出版したからこそ、見えてきた世界があったのが分かります。
読書をすることによって、文字が知識として残るだけでなく、自分のなかに無意識に登場人物の経験が無意識に積み重なっていく。
また、一人で読むだけにせず、本をコミュニケーションツールに使うことで、誰かと感想を言い合えたり、自分とは違う価値観を持てたりするのも、本を読んでいるからこそのツールになっていると感じます。

「書く習慣」の要約: 初心者が文章を書くための習慣化のコツ
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